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英語対応の会計ソフトを紹介|導入すべき企業の特徴、ソフト選びの視点も解説

海外拠点の増加を検討している、海外企業との取引が多いなどのグローバルな企業には、英語対応の会計ソフトの導入がおすすめです。外貨を日本円として処理したり各国の法律や税率に合わせて自動で計算したりできるため、自社の会計業務効率を向上できます。自社のコア業務にリソースを割くためにも、海外と関わっていきたい企業は英語対応の会計ソフトの導入が必要です。

この記事では、英語対応の会計ソフトを導入すべき企業や選び方、おすすめの会計ソフトを解説します。

グローバル展開・海外進出を目指している企業

グローバル展開や海外進出を目指している企業は、英語対応の会計ソフトが必要です。英語だけでなく、多言語に対応した会計ソフトを導入することで、海外進出を円滑に進められます。

グローバル展開や海外進出の際は、国内や現地での外国人雇用が必要です。会計ソフトが日本語のみに対応という場合、日本語が堪能な外国人しか採用できません。

英語や現地語に対応した会計ソフトであれば、日本語が堪能でない外国人も採用しやすくなります。採用できる人材の幅が広がることで、自社が求めるスキルや経験を持つ外国人を雇用できる可能性も高められます。

外資系企業が主な取引先である企業

自社の主な取引先が外資系企業である場合、英語対応の会計ソフトの導入が必要です。

外資系企業との取引では外貨での売買が多いため、英語対応していない会計ソフトでは、外貨をその都度日本円の為替レートに換算しなければなりません。手計算で換算する場合は、計算ミスによって数字を間違えるリスクがあります。

英語対応の会計ソフトであれば外貨を自動で日本円の為替レートに換算できるため、ヒューマンエラーによる計算ミスが発生しません。海外拠点で記入した勘定科目を日本国内の勘定科目に置き換えられるシステムもあるため、スムーズに会計業務を進められます。会計業務を効率化できれば、自社本来のコアビジネスにリソースを割くことが可能です。

海外出張が多い企業

海外出張が多い企業でも、英語対応の会計ソフトが活躍します。

海外出張先での経費を精算する場合、領収書をもとに為替レートに沿って日本円に計算し直すことが必要です。海外出張の機会が多いほど、交通費や現地での接待費用など経費精算額も増えるため、業務効率化の観点でも自動で日本円に換算できることが理想です。

英語対応の会計ソフトであれば自動で外貨計算できるため、経費精算の手間を省けます。

英語対応の会計ソフトを選ぶ方法

英語対応の会計ソフトを選ぶ際は、自社に必要な機能を備えているかの確認が欠かせません。機能は製品ごとで異なるため、自社に必要なものを決めることでコストパフォーマンスの高い製品を選ぶ手助けとなります。

自社に必要な機能を明確にするには、会計ソフトの導入目的を明確に定めることが大切です。例えば、国内企業で日本語をある程度話せる外国人従業員を雇っている場合、最低限英訳がついている会計ソフトを導入すれば問題ありません。一方で、今後積極的に海外拠点を設置したい企業であれば、将来を見据えて他言語での利用や外貨計算に完全対応した会計ソフトが必要になります。このように、自社にとってコストパフォーマンスの高い会計ソフトを使うためにも、導入目的を定めることが大切です。

導入目的を定めた後は、以下4点を基準にして会計ソフトを選定します。

外貨対応であるか

単純に英語で使えるだけでなく、多くの外貨に対応しているかの確認が必要です。

多通貨に対応している会計ソフトであれば、各通貨の為替レートをもとに日本円へ自動換算できます。通過ごとの残高管理も可能なため、さまざまな国と取引したり多くの海外拠点を設置したりする企業にとって重要な機能です。

会計ソフトごとで対応している外貨の種類は異なるため、自社の取引先や海外拠点を置いている国を十分にチェックして選ぶことが大切です。

英語以外の言語にも対応しているか

英語以外の言語にも対応していることが理想です。

外国人従業員が全員、英語が堪能というわけではありません。自身の母国語しか話せないケースもあります。英語圏以外でも海外展開を進めたい企業の場合は、とくに英語以外の言語に対応しているかをチェックすべきです。

サポート体制が充実しているか

英語対応の会計ソフトでは、サポート体制の充実度合いも重要です。

多言語や多通貨に対応している会計ソフトは、日本語のみの製品より操作が複雑になる可能性もあります。例えば、外貨が思うように換算できなかったり勘定科目がわからなかったりすることもあり得ます。上記のようなトラブルが発生した際に、最後までフォローしてくれる会計ソフトであれば安心です。

具体的なサポート方法は、導入前に以下のような視点で確認しておきます。

  • 電話・メール・対面のどれでサポートしてくれるか
  • 休日や夜間に対応できるか
  • 海外拠点を置いている国の言語でサポートしてくれるか

導入実績があるか

会計ソフトの導入実績も大切なチェックポイントです。

可能であれば、導入数だけでなく具体的にどのような企業で導入されているかも確認すべきです。似ている規模や海外拠点数を持つ企業での導入実績が多ければ、自社でも有効活用できる可能性は高いといえます。

英語対応のおすすめ会計ソフト5選 

英語対応している会計ソフトの中では、以下の5つがおすすめです。

会計ソフトごとの対応機能を一覧で紹介しているため、最初にご確認ください。

さくら会計Plaza-i勘定奉行クラウド
Global Edition
multibookInfor SunSystems
外貨対応
多言語対応×
サポート
導入実績

さくら会計

さくら会計

さくら会計は、濱友株式会社が提供する中小企業向けの会計ソフトです。試算表や元帳など、会計業務で必要な書類すべてが日本語や英語、中国語などに対応しています。他の言語や多通貨対応などもオプションで追加可能です。

さくら会計は、税率や通貨記号、区切り文字、日付、数値の書式などを各国に合わせて自動で対応して計算できます。そのため、多くの海外拠点を持つ企業でもスムーズに会計業務を進められます。

さくら会計

また、オプションで機能を追加できるだけでなく、顧客の要望に合わせて不要な機能を外し、その分だけ料金を安くするという柔軟な対応も可能です。

日本国内では、不動産や製造業、商社金融業など幅広い業種での導入実績を持っています。

料金は以下の通りです(税表示なし)。2024年1月31日までの申し込みで、日本版は1年間・国際版は6ヶ月間、月額料金が無料です。

プラン名月額料金初期費用主な機能
日本版「さくら会計」4,400円8,500円仕訳のテンプレート化Excelとのインポートおよびエクスポート摘要リストや取引先リストなどの追加・削除
国際版「さくら会計」8,800円仕訳のテンプレート化Excelとのインポートおよびエクスポート摘要リストや取引先リストなどの追加・削除各国の会計基準に合わせた複数帳簿作成外貨入力複数言語表示

※2023年11月時点での情報です。最新情報は公式Webサイトをご確認ください。

Plaza-i

Plaza-i

Plaza-iは、株式会社ビジネス・アソシエイツが提供する中堅・中小企業向けの製品です。会計ソフトとしての機能もありますが、製品自体はERPパッケージシステムです。そのため会計管理だけでなく、企業活動を最も効率化できるリソース配分まで考え、経営戦略を立案する際にも役立ちます。

多通貨に対応しており、ひとつのデータベース内で複数企業の会計処理が可能であるため、多くの海外拠点を持つ企業にもぴったりです。対応言語は英語のみですが、製品内の画面や帳票の言語をワンタッチで切り替えられるため、英語メインの企業であれば十分便利に活用できます。

Plaza-i

開発元のコンサルタントが問い合わせ直後から導入1ヶ月後までのサポートを行うため、初めてシステムを導入する企業でも安心です。1ヶ月の経過後は標準サポート体制に移行し、法改正やOS更新なども無料で対応してくれます。

料金プランは公式サイトに記載がないため、問い合わせが必要です。

勘定奉行クラウドGlobal Edition

勘定奉行クラウド Global Edition

勘定奉行クラウドGlobal Editionは、 株式会社オービックビジネスコンサルタントが提供する会計ソフトです。国内の勘定奉行クラウドの操作性などを踏襲しつつ、多言語や多通貨など、海外展開に必要な機能を備えています。自動翻訳にも対応しているうえ、クラウド型であるためどの国でもリアルタイムで会計状況や業績などをチェックできます。

複数の現地法人の会計情報をひとつのシステムで管理できるため、展開している国の数が多くても、日本本社でスムーズにデータを確認可能です。

世界16ヶ国にある32の直営拠点から、運用サポートや記帳代行、会計レポート作成代行などで幅広く支援してくれるため、自社の業務効率化につなげられます。

勘定奉行クラウド Global Edition

料金は拠点数やライセンス数によって異なるため、問い合わせが必要です。公式サイトには、料金一例として以下が記載されています(税抜表示)。

料金例月額料金初期費用管理者および現地担当者数
ケース166,000円100,000円管理者:1名海外現地担当者数:1名
ケース2132,000円管理者:3名海外現地担当者数:2名
ケース3198,000円管理者:5名海外現地担当者数:3名

※2023年11月時点での情報です。最新情報は公式Webサイトをご確認ください。

multibook

mutibook

multibookは、株式会社マルチブックが提供する製品です。Plaza-iと同じくERPシステムであるため、会計管理だけでなく資金や人員など企業のリソース配分まで考え、経営戦略の立案につなげられます。世界30ヶ国以上、400社以上で利用されているため、導入実績が豊富です。

12言語に対応しており、幅広い国の伝票計上や外貨建て残高管理などを実施できます。複数帳簿を作成でき、現地と日本間における会計基準の調整や決算整理前後の財務諸表出力なども可能です。

mutibook

また、複数の海外拠点にある会計情報や受発注情報、資産などをリアルタイムで一元管理できます。各国の会計や商習慣にも対応しているため、海外拠点の基幹業務としても利用可能です。

料金は月額30,000円〜です(2023年11月時点)。詳細は利用機能や拠点数によって異なるため、お問い合わせください。

Infor SunSystems

Infor SunSystems

Infor SunSystemsは、トライフォース・グローバル・ソリューションズ株式会社が提供する会計ソフトです。世界190ヶ国・20,000以上の拠点(日本国内は2,000拠点)で稼働しているため、多様な業種、業態の企業で安心して導入できます。オンプレミス型、あるいはクラウド型で導入可能であり、自社の環境やコストに合った方式を選べます。英語や中国語など20以上の言語に対応しているため、幅広い国と取引する企業で利用可能です。

また、幅広い業種に合わせた管理会計が可能であり、担当者や部門、製品、販売チャネル、税率、仕入先などのセグメントごとでレポートを作成できます。

Infor SunSystems

料金はユーザー数などによって異なります。導入初期費用は数百万円〜が目安です。詳細はお問い合わせください。

まとめ|英語対応の会計ソフトでグローバル化

海外展開を見据えていたり海外企業との取引が多かったりする企業は、英語対応の会計ソフトの導入がおすすめです。英語対応の会計ソフトを導入することで、外貨の日本円への換算や各国の税率に合わせた計算、法律要件を満たした帳簿の作成などを実施して、業務を効率化できます。

英語対応の会計ソフトにはさまざまな機能や料金プランがあるため、導入目的と予算を考慮し、自社に最適な製品を選ぶことが大切です。

よくある質問

英語対応の会計ソフトのおすすめは?
「さくら会計・Plaza-i・勘定奉行クラウドGlobal Edition・multibook・Infor SunSystems」がおすすめです。より具体的な内容は「英語対応のおすすめ会計ソフト5選」の章で解説しています。
英語対応の会計ソフトの選び方は?
導入目的を定めたうえで、「外貨対応であるか・英語以外の言語にも対応しているか・サポート体制が充実しているか・導入実績があるか」という4つの基準をもとに選ぶことがおすすめです。より具体的な内容は「英語対応の会計ソフトを選ぶ方法」の章で解説しています。