注目キーワード
  1. 会計ソフト
  2. インボイス制度

経理ソフトを無料で使いたい!おすすめ11選を紹介

経理ソフトの中には無料で使えるものも多く存在します。人によっては、「無料の経理ソフトは、有料の経理ソフトよりも機能やサポート体制などが劣るのでは?」と思われているかもしれません。しかし、実際のビジネスシーンでは無料の経理ソフトで十分なケースも、決して珍しくありません。

この記事では、無料ならではの注意点や、経理ソフトの選定ポイントを解説した上で、無料で使えるおすすめの経理ソフト全11製品を紹介します。

経理ソフトを無料で使うことがおすすめなケース

経理ソフトには、無料のものと有料のものがあります。一般に、有料の経理ソフトの方が高機能で、サポート体制も充実しているとされていますが、利用目的や自社の状況によっては、無料経理ソフトでも十分です。ここでは3つ、経理ソフトを無料で使うことがおすすめなケースを解説します。

事業体の規模が小さい

無料の経理ソフトは、入力できる取引や利用可能人数など、機能に制限があることが多いものです。しかし、事業体の規模が小さい個人事業主、あるいは小規模法人であれば、無料で機能制限があっても、取引数や利用人数が少ないため十分実用に耐えるケースが少なくありません。

後述のとおり、無料経理ソフトの使用にはいくつか注意点がありますが、事業体の規模が小さければ、無料で使えるメリットが上回る可能性もあるでしょう。

経理ソフトを導入したことがない

経理ソフト自体の導入が初めての場合、いきなり高額の経理ソフトを導入したものの、実際の業務では全く使わない機能が多く、不要な出費になってしまうこともあるかもしれません。また、操作が難しすぎて、十分従業員が使いこなせないことも考えられます。

しかし、経理ソフトをまずお試しで使ってみることで、使用感がわかる上に安心して導入できるでしょう。有料の経理ソフトを導入する前に、無料プランの経理ソフトを複数使ってみることも考えられます。これにより、自社にとって最適な経理ソフトをより確実に選択できるでしょう。

経理知識を十分有する人材が社内にいる

無料の経理ソフトは、有料の経理ソフトと比較して導入・運用サポートが少ない傾向にあります。しかし、経理ソフトを使う担当者に十分な知識がない場合には、サポート体制が充実していると心強いものです。

反対に、経理の知識がある、もしくは他の経理ソフトをすでに使いこなした経験がある場合、サポートが不要なこともあるでしょう。そのため、無料の経理ソフトを使いたい場合は、経理知識を十分有する人材が社内にいるケースがおすすめです。

経理ソフトを無料で使う場合の注意点

無料で使える経理ソフトは決して少なくありませんが、有料ソフトと比較して無料ならではの注意点も存在します。

無料と有料どちらの経理ソフトを導入すべきか悩んでいる場合は、価格以外の視点も持ちつつ選択するとよいでしょう。それでは以下に3つ、経理ソフトを無料で使う場合の注意点を解説します。

無料期間が有限な経理ソフトも多い

無料の経理ソフトの中には、有料版のお試し版として、一定期間のみ無料で提供されるケースも珍しくありません。その場合は、無料で使える期間を確認しておく必要があります。また、無料期間中に、使用感や有料版のコストなどを確認しておきましょう。

機能が限られていることが多い

無料の経理ソフトでは、有料の経理ソフトと比較して、機能が制限されることがあります。無料の経理ソフトで制限される機能の例は、以下のとおりです。

▼無料の経理ソフトでは制限される機能の例

  • 取引データの閲覧期間が短めに設定されている
  • 同時に利用可能なメンバー数が少ない
  • 取り扱える仕訳件数が少ない
  • エクスポート可能なデータの数が少ない

実際に経理ソフトを使う状況を想定して、必要な機能を無料であっても使えるか確認しておきましょう。

サポート体制が手薄なことが多い

経理ソフトの中には、電話やチャットなどでサポートしてくれる経理ソフトが数多く存在します。ただ、無料の経理ソフトでは、多くの場合それらのサポート体制が手薄なことが多いです。

サポート体制が手薄だと、経理ソフトの使い方でわからないことがあっても解決できず、業務に支障が出ることもあるかもしれませんので、注意が必要です。

無料で使える経理ソフトの選定ポイント

無料で使える経理ソフトは数多く存在しますが、自社にとって最適なものを選定して、より高い効果を発揮させたいものです。以下に4つ、経理ソフトの代表的な選定ポイントを解説します。

クラウド型かインストール型か

経理ソフトは、クラウド型とインストール型の2種類に大別されます。クラウド型はWeb上で利用するタイプで、月々の使用料がかかる形式が一般的です。インターネット環境があれば端末のOSやバージョンに関係なく、即座に導入できるメリットがあります。ただ、インターネットに接続していないと使えないことはデメリットです。

クラウドとは違い、システムをインストールして使うソフトはインストール型と呼ばれます。一度インストールすれば、インターネット環境がなくても使えますが、対応するOS(バージョン)がなければ使えないことに注意しましょう。

UIがわかりやすいか

実際に導入する前に、経理ソフトのレイアウトやインターフェースを確認してみましょう。

無料であっても、UIがわかりづらく、使いこなせなければ意味がありません。ITリテラシーや経理知識によって、どのツールが使いやすいか変わってくるため、実際に使ってみて使い勝手を試してみるのが一番です。

必要な機能がそろっているか

経理ソフトに自社ビジネスで必要な機能がそろっているか、確認しましょう。例えば、確定申告を行う際には、個人事業主と法人とで、以下に示すとおり必要な書類は大きく異なります。

▼確定申告で必要になる書類

個人事業主
  • 確定申告書B
  • 収支内訳書
  • 青色申告決算書(青色申告の場合)
  • 青色申告承認申請書(青色申告の場合)
法人
  • 総勘定元帳
  • 領収書綴り
  • 決算報告書
  • 法人事情概況説明書
  • 法人税の申告書
  • 消費税の申告書
  • 地方法人税の申告書
  • 税務代理権限証書

例えば、個人事業主であれば、確定申告書や収支内訳書などを作れれば構いません。しかし、法人向けであれば、決算報告書や法人税の申告書などを作れる経理ソフトが必要になります。無料ソフトによっては、作成できる帳票に限りがある場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。

また、同時に使えるユーザー数や閲覧可能期間なども確認しておくとよいでしょう。一般的に、無料経理ソフトでは同時に使えるユーザー数が少ないので、規模が大きい場合は有料の経理ソフトが無難です。とはいえ不必要に機能を増やしても、使いきれないこともあるため、過不足ない機能にとどめましょう。

経理業務に関わる法律に対応しているか

経理ソフトを選ぶ際には、経理業務に関わる法律に対応しているかについても、確認しておきたいところです。その際に、法改正に即座に対応できる経理ツールだと、より心強いでしょう。以下に、経理業務に関わる法律として、特に注目したいものを、3つ紹介します。

税制

法人税や所得税などの税制が変わることは、決して珍しいことではありません。そのため、速やかに変更内容を反映させることで、正確な決算や確定申告が可能になります。

最新改訂年月改訂内容(代表的なものだけピックアップ)
令和4年12月
  • スタートアップへの再投資に係る非課税措置の創設
  • 極めて高い水準の所得に対する負担の適正化
  • 企業による先導的人材投資に係る税制措置
  • 防衛力強化に係る財源確保のための税制措置

電子帳簿保存法

電子帳簿保存法は2022年1月に改正され、電子取引でやりとりした書類は、データの状態で保存することが義務化されました。しかし、電子帳簿保存法対応の経理ソフトを活用すれば、スキャナ保存した領収書の原本保存が不要です。電子取引や電子帳簿保存の法令違反を防止できるため、コンプライアンス対策にもなります。

最新改訂年月改訂内容(代表的なものだけピックアップ)
令和5年4月
  • スキャナ保存で、解像度・階調・大きさに関する情報の保存が不要に
  • スキャナ保存で、入力者等情報の確認要件が不要に
  • 電子取引データ保存で、検索機能の全てを不要とする措置の対象者が見直し

インボイス制度

インボイス制度は2023年10月より導入される制度で、これまでは特段手続きが不要だった消費税の仕入額控除を受けるには、インボイスの発行または保存が必須になるという制度です。今までとは消費税の扱い方に違いが生じますが、インボイス制度に対応し、ユーザーへの対応サポートまで行っている経理ソフトを活用すれば安心です。

最新改訂年月改訂内容(代表的なものだけピックアップ)
令和5年4月
  • 免税事業者からインボイス発行事業者になった場合、納税額を売上税額の2割に軽減
  • 一定規模以下であれば、1万円以下の取引ではインボイス保存不要

【完全無料】経理ソフトおすすめ6選

完全無料の経理ソフトを、以下に6つ紹介します。確定申告や決算書作成などに使え、簡単に導入できるものがよいでしょう。

▼完全無料のおすすめ経理ソフトおすすめ一覧

ソフト名どのようなユーザーに特におすすめ?
フリーウェイ経理Lite個人事業主や中小企業
円簿会計中小企業
ちまたの会計小規模な非営利団体
やよいの白色申告オンライン白色申告で確定申告を行おうとしている個人事業主
main財務管理中小企業
JDL IBEX 出納帳 Major中小企業

フリーウェイ経理Lite

フリーウェイ経理Lite

フリーウェイ経理Liteは、完全無料で経理業務に役立つ基本的な機能を活用できる経理ソフトです。勤怠管理などの姉妹サービスと連携させることも可能で、姉妹サービスとの連携でより便利に使えます。

【フリーウェイ経理Liteの特徴】

・Windowsのパソコンで永久無料で使える
・決算書、試算表などの帳票も無料で出力できる
・仕訳形式、出納帳形式で入力できる

円簿会計

円簿会計

円簿会計は、完全無料で全機能を利用できる経理ソフトです。Windowsはもちろん、MacOSにも対応しています。インターネット環境があれば、全機能を永年無料で利用できることもメリットです。

さらに、データを関東と関西の2拠点でバックアップすることで、データが消失するリスクを軽減しています。徹底的にリスク回避したい方も安心して利用できるでしょう。

ちまたの会計

ちまたの会計

ちまたの会計は、自治会やPTAなど、非営利団体向けに開発されており、経理に必要な基本的な機能を完全無料で使えるクラウド経理ソフトです。

クラウド型なので、インターネット環境があれば、PCやモバイルデバイスでも簡単にアクセスできる点が強みの1つです。また、ホームページにはデモサイトがあるので、導入前に使い勝手を試すこともできます。疑問点があれば、無料の問い合わせフォームから質問できるため、安心です。

やよいの白色申告オンライン

やよいの白色申告オンライン

やよいの白色申告オンラインは、完全無料で白色申告に役立つ機能を使える経理ソフトです。白色申告向けに特化したデザインなので、確定申告の初心者でも使いやすいでしょう。

また、e-Taxを用いた確定申告や、インボイス制度や電子帳簿保存法にも対応しているため、白色確定申告で強い味方になってくれます。

main財務管理

main財務管理

main財務管理は、ホームページ上でダウンロードすれば、完全無料で使える経理ソフトです。わかりやすい入力画面で、簡単に操作できます。

また、別途料金を払うことで、出張でサポートを行ってくれることも特徴です。他にも、要望があれば、運営会社であるメインソリューション株式会社が提携している税理士や会計事務所を紹介してくれます。税理士や会計事務所への依頼も検討している企業であれば、注目したいサービスではないでしょうか。

JDL IBEX出納帳Major

JDL IBEX出納帳Major

JDL IBEX出納帳Majorは、税務申告に必要なデータを取りまとめ、顧問税理士に簡単に送付できるインストール型会計ソフトです。

帳簿入力から決算書作成まで、一連の経理処理を行える上に、入力データを帳簿形式のCSVデータで出力できます。また、スタートガイドや操作マニュアルなど、サポート体制も充実しているので、初めての経理ソフトで不安な方でも安心です。

【無料で試せる】経理ソフトおすすめ5選

有料会計ソフトの中には、無料トライアルが使えるものも珍しくありません。以下に5つ、無料トライアルが活用可能なおすすめ経理ソフトを紹介します。

なお、経理ソフトの導入費用に不安を感じる場合は、「IT導入補助金」の活用も検討してみるとよいかもしれません。IT導入補助金は、ITツールへの投資を促進すべく、中小企業を対象にITツールの導入資金の一部を補助する補助金制度です。対象者やスケジュールなどは、特設サイトをご参照ください。

▼無料トライアルありのおすすめ経理ソフト一覧

ソフト名料金価格(税込)無料トライアル期間どのような規模のユーザーにおすすめ?
freee会計1,480円/月〜
※月払い
30日間個人事業主から大企業まで
マネーフォワードクラウド会計3,980円/月〜
※月額プラン
1ヶ月個人事業主から大企業まで
弥生会計オンライン2,383円/月
※月額プラン
2ヶ月中小企業
勘定奉行クラウド・月額7,750円〜
・初期費用0円〜
30日間中小企業から大企業まで
会計王44,000円
※希望小売価格
30日間個人事業主や中小企業

freee会計

freee会計

freee会計は、日本で最も有名なクラウド会計ソフトの1つです。人事労務や工数管理など、姉妹製品が多数存在しており、それらと連携すればより業務効率化を期待できます。

また、AndroidやiOSのアプリを利用できるので、外出先でも経理ソフトを使いたい方にもおすすめです。さらに、セミナーやイベントを通じ、便利な使い方を学べるので、興味があれば参加してみましょう。

マネーフォワードクラウド会計

マネーフォワードクラウド会計

マネーフォワードクラウド会計は、あらゆる業界で支持されてきたクラウド会計ソフトです。初期費用不要で、月額(もしくは年額)だけで利用できます。

また、すでに他の経理ソフトを使っていても、データ移行の代行サービスを使えるので、経理ソフトを乗り換えたい方にも有力な選択肢になるでしょう。ホームページ上で、マネーフォワードクラウド会計がよくわかる資料3点を無料でダウンロードできるので、興味がある方は参考にしてみてください。

弥生会計オンライン

弥生会計オンライン

弥生会計オンラインは、クラウド会計ソフトです。1年間無料で使えるので、まずは手軽に始めてみましょう。

予算が厳しい場合でも、ホームページ上でIT導入補助金について解説しているので、参考にしてみてください。さらに、操作方法から決算時期の仕訳・経理業務のやり方まで、専門スタッフがサポートしてくれるので、操作方法がわからなくても安心です。

勘定奉行クラウド

勘定奉行クラウド

勘定奉行クラウドは、制度対応と経理DXを両立するクラウド会計ソフトです。導入から稼働まで、専任スタッフが最適な運用をアドバイスしてくれます。

また、財務報告やセキュリティに関する内部統制の国際認証を取得しているので、安心感があります。姉妹製品や他社サービスと連携も充実しており、連携機能を使いこなせばより経理業務を効率化できるでしょう。

会計王

会計王

会計王は、WindowsOSにて使えるインストール型会計ソフトです。クレジットカードや銀行と連携することで、帳簿入力をミスなく自動化できます。

また、インボイス制度や改訂電子帳簿保存法に対応しているので、法手続きへの対応も万全です。さらに、Zoomのオンライン相談で、疑問点やトラブルの解決をサポートしてくれるので、使い方がわからないことがあれば迷わず相談しましょう。

まとめ|経理ソフトは無料でも使える場面は多い

経理ソフトは、経理業務を効率化するためには有効な手段です。ただ、個人や小規模法人で予算が厳しい場合は、経理ソフトにコストがかけられないかもしれません。その場合には、無料会計ソフトがおすすめです。無料ソフトの中には、完全無料で使える経理ソフトだけでなく、有料であるものの無料トライアルが使える経理ソフトもあります。

ただ、無料経理ソフトの場合、機能や利用人数が制限されることが多い上、サポートが手薄なことがあります。そのため、経理業務に慣れている方が使うことが無難です。また、無料経理ソフトを選ぶ際には、使いやすさや必要な機能の有無などで選びましょう。

なお、本サイトでご紹介している一部の会計ソフトは、アフィリエイト広告の出稿を受けています。

よくある質問

Q1.無料で経理ソフトを使うことがおすすめなのは、どのようなケース?
  • 事業の規模が小さい場合
  • 経理ソフトを導入したことがない場合
  • 経理知識を十分風する人材が社内にいる場合
詳しくは「経理ソフトを無料で使うことがおすすめなケース」の章をご覧ください。
Q2.無料で経理ソフトを使う場合、注意しなければならないことは?
  • 無料の期間が限られている経理ソフトも多い
  • 有料の経理ソフトより機能が限定されることが多い
  • サポート体制が手薄になりがち
詳しくは「経理ソフトを無料で使う場合の注意点」の章をご覧ください。