近年増えてきている会計ソフト、いざ導入しようと調べてみると思っていたよりもたくさんの種類が出てきて困惑した、ということはありませんか?
どのソフトを選ぶべきか考える際、多くの方が機能や価格で比較することでしょう。とはいえ、「実際の使用感を知りたい」「第三者の意見も参考にしたい」という方も多いのではないでしょうか。
本記事では、数ある会計ソフトのうち、利用率の高い大手3社の評判について、実際の意見をもとに紹介していきます。これから会計ソフトを導入したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
経理業務の負担を削減できる”会計ソフト”
会計ソフトとは、日々の会計業務を管理するソフトです。
▼会計ソフトの主な機能
財務情報の一元管理 | 支店や関連企業など、複数社の財務状況を一元的かつリアルタイムに管理する。複数の会計データを、1つのシステムで一元管理する。 |
帳票・伝票入力 | 決算書作成に必要なデータを、効率的に入力する。転記を自動で行うため、ミスや漏れを防止してくれる。 |
仕訳入力 | 預金や現金・従業員への給与や売り上げなどの数字を入れれば、システムが自動で必要な形態に変換・入力してくれる。 |
集計管理 | 入力データを、日次や月次などで集計する。 |
財政分析 | 財務データを用いて、「予測B/S」や「予測P/L」などの財務分析を実施する。 |
予実管理 | 企業の予算と実績を管理し、自社のビジネス状況を判断する。 |
税申告 | 納税時に必要な書類を自動作成する。また、法改正があり次第、アップデートによって順次自動で対応する。 |
働き方改革やデジタル化の推進を受け、会計ソフトの利用率は年々上昇しています。会計ソフトのメリットは、大きく以下の3点です。
メリット1.業務効率化の実現
会計ソフトを利用すると、業務を効率化できます。
会計ソフトには自動仕訳機能がついているため、数字を入力するだけで必要な帳票に反映させることができます。紙ベースの管理では1枚ずつ仕訳を転記していく必要がありましたが、その必要がないことで業務スピードが格段に向上します。
また、銀行やクレジットカードの明細を自動で取り込む機能がある会計ソフトもあります。手間削減に加え、人為的ミスを減らすことも叶うでしょう。
さらに、経理初心者でも操作できる設定になっているソフトが多いため、複数の方が会計業務に携われるようになります。
メリット2.税制への対応が簡単
税制は頻繁に改正されますが、会計ソフトならアップデートするだけて対応完了する場合がほとんどです。そのため、法改正のたびに管理や数値を見直すといった作業も不要となります。
直近では、インボイス制度や電子帳簿保存法の改正がありました。どの企業にも、ミスなく確実に対応することが求められますが、会計ソフトを利用していれば正しく迅速に対応できるため、経理担当者の心理的負担も減らすことができるでしょう。
メリット3.経営レポートや財務状況などをすぐに作成可能
多くの会計ソフトは、仕訳を入力するだけで集計結果を簡単にグラフや表に反映させることができます。計算ミスの心配もありませんし、必要な時にその場で集計表を出すことができるため、素早い経営判断が叶うでしょう。
会計ソフトのシェア状況は?
会計ソフトは「クラウド型」「インストール型」と、大きく2つに大別されます。
▼クラウド型、インストール型のメリットとデメリット
メリット | デメリット | |
クラウド型 インターネットを経由してクラウド上にデータを保存する会計ソフト | ・外部システムと連携できる ・端末に依存せず利用できる ・インターネットを経由したデータの取得・共有が簡単にできる ・データをリアルタイムで確認できる更新の手間がない | ・インターネット環境が必要 ・毎月(あるいは毎年)コストがかかる ・ログインIDやパスワードの適切な管理が必要 |
インストール型 利用するパソコンにインストールし、主にローカル環境にデータを保存するタイプの会計ソフト | ・オフラインでも利用できる ・コストを抑えられる ・ローカル環境に保存するため安心感がある | ・アップデートコストがかかる ・利用可能な端末数が限られる |
会計ソフト全体のシェアは上がりつつありますが、特にクラウド型のシェアが大幅に伸びてきています。株式会社MM総研の調査によると、会計ソフトに占めるクラウド会計ソフトの利用率は、2016年3月は9.2%だったのに対し、2022年4月は29.8%と、上昇傾向にあることがわかります。
引用:株式会社MM総研 「個人事業主のクラウド会計利用率は30%に届く勢い、引き続き拡大基調」
電子帳簿保存法によって、2022年1月から「電子取引でやりとりした書類は、データのまま保存しなければならない」と義務づけられました。また、政府も2024年までに行政手続きの9割を電子化する方針をとっています。そのため、クラウド型の会計ソフトは今後もシェアが拡大していくと想定されます。
【口コミあり】クラウド型で利用率の高い3社を紹介
今後も一層シェアが拡大していくと見込まれるクラウド型の会計ソフトですが、利用率の高いソフトは以下の3製品となっています。
- 弥生会計オンライン
- マネーフォワードクラウド会計
- freee会計
今回は、クラウド型会計ソフトで上位シェア9割を占める大手3社の製品に関する評判を、利用者の口コミとともに紹介します。
弥生会計オンライン
【詳細情報】
料金 | 年額28,600円 |
無料体験 | 1年間 |
対応デバイス | PC、タブレット、スマホ |
サポート | プランによっては電話、メール、チャットの利用可 |
データ共有できるソフト | 弥生シリーズの給与計算ソフトと共有可※要エクスポート |
連携金融機関など | 3,600以上 |
公式HP | https://www.yayoi-kk.co.jp/kaikei/ |
弥生会計オンラインの大きな特徴は、経理業務経験者の方でもすぐに慣れられる点です。ほとんどの会計ソフトが30日の無料体験プランを設けていますが、弥生会計オンラインは初年度無料で利用可能となっています。
そのため、1年を通じて自社に合った会計ソフトかどうかを見極めることができます。
各種グラフやレポートを自動で作ってくれるので、24時間いつでも財務状況を確認できるでしょう。
【良い点】
・銀行口座やクレジットカードとの連携により、売上や経費、在庫などのデータを自動的に取り込むことができる ・対応税理士が多くリアルタイムでデータ共有可能 |
弥生会計オンラインは、クラウド型の大きなメリットである自動仕訳機能を備えたソフトです。対応税理士が多いことにより、煩わしい作業もなくすんなりとデータ共有できるのも大きなメリットですね。
マネーフォワードクラウド会計
【詳細情報】
料金 | 月額2,980円〜 |
無料体験 | 30日間 |
対応デバイス | PC、スマホ、タブレット |
サポート | メール、チャット |
データ共有できるソフト | 勤怠、給与計算、社会保険、福利厚生など |
連携金融機関など | 2,400以上 |
公式HP | https://biz.moneyforward.com/accounting/ |
銀行やクレジットカード、電子マネーなど幅広い外部ツールと連携している点が特徴です。領収書の転記が不要となり、経理業務の一層の効率化が見込めます。
初心者でも操作しやすい設計になっているだけではなく、使い方動画の配布や定期的なセミナーの実施などもあります。
【良い点】
・勤怠や給与など他サービスともリアルタイムで連携している ・Amazon Business、アスクルなど仕入れに使用するサイトも連携登録できる |
他ツールも多く提供しているので、マネーフォワード一つで多くのバックオフィス業務をカバーできます。銀行口座やカードだけでなく、仕入れに使用するサイトも連携登録できるので、手動記帳がほぼ必要ないというのも特徴です。
freee会計
【freee会計】
【詳細情報】
料金 | 1,980円〜 |
無料体験 | 30日間 |
対応デバイス | PC、スマホ、タブレット |
サポート | チャット(プランによっては電話もあり) |
データ共有できるソフト | 営業支援、勤怠管理、給与計算など |
連携金融機関など | 3,600以上 |
公式HP | https://www.freee.co.jp/accounting/small-business/ |
大手ソフトの中で最安値であるfreee会計は、顧客管理や勤怠管理、人事など様々なソフトを提供しています。freee系列の別ソフトと連携することができるので、まとめて管理したい場合にはおすすめです。
また、会計業務の経験がない方でも使えるよう、シンプルな操作感となっているので、会計初心者にもおすすめのソフトです。
【良い点】
・直感的な作業ができるのでPCに慣れていない方や、会計業務未経験の方にもおすすめ ・プランによっては大手の中で最も安い |
freeeの会計ソフトは、とにかく誰でも使えるように、簡単な操作感を売りにしています。また、クラウド型は月額費用が継続して発生しますが、最安プランであればかなりの安価にて利用できるので、コストが気になる方におすすめです。
まとめ|会計ソフトは業務効率化に役立つ!基準を明確にして選ぼう
今回は、クラウド型でシェア率の高い3社の会計ソフトについて、利用者の評判とあわせて製品を紹介しました。
会計ソフトには様々な特徴がありますが、会計業務初心者向けから経験者向け、連携している金融機関の数や他のバックオフィス業務とのデータ共有の有無など、それぞれ特徴が違います。
クチコミとあわせて、まずは自社に必要な機能や価格面を整理し、最適な会計ソフトを探してみてください。
なお、本サイトでご紹介している会計ソフトは、アフィリエイト広告の出稿を受けています。
よくある質問
Q1.インストール型とクラウド型の違いは? |
インストール型は購入しPCにダウンロードして利用します。インターネット環境は必要ありません。クラウド型は、契約という形を取りインターネット上で利用します。基本的にインターネットがあればほとんどのデバイスで使えます。 詳しくは「会計ソフトのシェア状況は?」をご覧ください。 |
Q2.クラウド型のシェア率が高いのは? |
クラウド型のシェア率が高い会計ソフトは、弥生会計オンライン、マネーフォワードクラウド会計、freee会計です。それぞれの特徴は下記の通りです。 弥生会計オンライン:対応税理士が多いため税理士への連携がスムーズ マネーフォワードクラウド会計:会計業務以外のバックオフィス業務とも連携できる freee会計:プランによってはかなりの低価格で利用できる 詳しくは「【口コミあり】クラウド型で利用率の高い3社を紹介」をご覧ください。 |