バックオフィス業務の効率化に向けて、会計ソフトの導入をお考えの経理担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
マネーフォワードクラウド会計は、株式会社マネーフォワードが提供している会計ソフトです。多くの会計ソフト同様、会計処理の記録や帳簿書類の作成など、経理業務を助ける機能が数多く搭載されています。
本記事では、マネーフォワードクラウド会計の導入を検討している方に向けて、価格や機能などの基本情報から、実際に使用している方の評判などを説明します。
マネーフォワードクラウド会計とは
「マネーフォワードクラウドシリーズ」は、株式会社マネーフォワードが提供している法人・個人事業主向けのSaaS型サービスプラットフォームです。「クラウド会計」「クラウド勤怠」などがリリースされており、なかでも「マネーフォワードクラウド会計」は、面倒な法人決算をサポートする会計ソフトです。
利用環境
マネーフォワードクラウド会計は、Windows及びMacOSでの利用を想定しています。
- 推奨ブラウザ:Google Chrome 最新版
- その他の対応ブラウザ:Microsoft Edge 最新版、Firefox 最新版、Safari 最新版
支払い方法
マネーフォワードクラウド会計のプランには、「個人向け」「小規模~中小企業向け」「IPO準備・中堅~上場企業向け」の3つのプランがあります。また、「個人向け」のなかから更に「副業向け」「個人事業主向け」に分かれているなど、利用目的に応じてプランを細かく選べます。
マネーフォワードクラウド会計の料金種別は3種類で、「基本料金」「従量課金」「オプション料金」にわかれます。「従量課金」は毎月の利用人数に応じて発生する料金、「オプション料金」は「請求書」「経費」「債務支払」などのサービスごとに用意されたオプション料金です。
なお、1ヶ月の無料プランも用意されているため、使いたい機能は備わっているか、操作感は満足いくか、などじっくり確かめてから導入できます。
プランごとの機能と価格を比較【2023年9月現在】
個人向け(個人事業主・副業)
「個人事業主/副業向け」は、3つの基本プランに分けられています。
基本料金 (税抜) | 主な機能 | 取引先登録数 | |
パーソナルミニ | 800円/月 (年額9,600円) | ・確定申告書の作成 ・銀行・クレジット明細の自動取込 ・キャッシュフローレポート ・見積・納品・領収・請求書作成 など | 15件まで |
パーソナル | 980円/月 (年額11,760円) | ※パーソナルミニ全機能に加え ・消費税集計機能 ・消費税申告書作成 ・全レポート機能 ・口座残高照会及び帳簿残高との突合 ・請求毎月自動作成 ・回収消込表 ・郵送・メール送信等の一括操作 など | 上限なし |
パーソナルプラス | 年額プランのみ 年額35,760円 | ※パーソナル全機能に加え ・電話サポート | 上限なし |
副業で確定申告をする方向けに「パーソナルミニ」、自営業・個人事業主として確定申告する方向けに「パーソナル」、手厚いサポートを受けたい方向けに「パーソナルプラス」が用意されています。
表に示されている基本料金の他に、別途「従量課金」と「オプション料金」が発生します。
小規模~中小企業向け
50名以下の小規模~中小企業向けのプランは、2つ用意されています。
対象 | 基本料金(税抜) | |
スモールビジネス | 部門管理が不要な企業 請求業務の少ない小規模事業者 | 【年額プラン】 2,980円/月(35,760円/年) 【月額プラン】 3,980円/月 |
ビジネス | バックオフィス業務全般を効率化したい中小企業 | 【年額プラン】 4,980円/月(59,760円/年) 【月額プラン】 5,980円/月 |
どちらも「クラウド会計」だけでなく「クラウド勤怠」「クラウド請求書」などのサービスを一気通貫で利用することができ、バックオフィス業務全般の効率化が見込めます。
「スモールビジネスプラン」は部門管理が不要な企業や、請求業務の少ない事業者の利用を想定しており、利用者は3名以下を目安としています。「ビジネスプラン」は4名以上を目安としています。
また、表に記載されている金額は基本料金であり、基本料金とは別に利用人数に応じて発生する「従量課金」、希望に応じて発生する「オプション料金」があります。
IPO準備・中堅~上場企業向け
IPO準備、中堅~上場企業に向けては、コンポーネント型クラウドERP(必要な基幹システムのみを組み合わせて導入できるクラウド型ERP)が用意されています。利用人数の目安は51人からとなっており、具体的な料金については、問い合わせをすることで、企業の状況に合わせて専任担当者に案内してもらえます。
システム1つから導入することができるため、企業の成長に合わせて必要なシステムを組み換えながら利用できます。また、目的に合わせて選べるパッケージプランも用意されています。
目的 | パッケージ内容 | |
IPOを目指す企業 | 内部統制の強化 | 会計Plus 経費 債務支払 請求書Plus 固定資産 勤怠 |
中堅~上場企業 | 財務会計・管理会計の効率化 | 会計Plus Manage board 固定資産 |
中堅~上場企業 | 電子帳簿保存法に対応する | 会計Plus 経費 債務支払 請求書Plus |
ちなみに、既にマネーフォワードクラウドシリーズを利用しているのであれば、データを連携させることで手作業を大幅に削減することができます。また、マネーフォワードクラウドシリーズと対応している他社システムを利用している場合、販売管理や在庫・購買管理など、連携させて活用することも可能です。
引用:マネーフォワードクラウドERP「マネーフォワード クラウドERPのソリューション」
【参考】料金体系について
マネーフォワードクラウドを利用する際には、基本料金とは別に従量課金とオプション料金が発生します。
従量課金
従量課金は、毎月(1日~月末)の利用人数に応じて発生します。個人向けのプランでは、「マネーフォワードクラウド確定申告」と「マネーフォワードクラウド請求書」の従量課金は発生しません。
サービス | 従量単位 | 単価(税抜) |
会計 | 月末時点でのユーザー数 | 300円 |
請求書 | 月末時点でのユーザー数 | 300円 |
給与 | 確定処理を行った人数の月末時点での合計 | 300円 |
経費 | 月末時点でのアクティブユーザー数 | 500円 |
債務支払 | 月末時点での支払依頼申請数 | 300円 |
マイナンバー | 月末時点での登録人数 | 100円 |
勤怠 | 月末時点での従業員数 | 300円 |
社会保険 | 月末時点での従業員数 | 100円 |
年末調整 | 月末時点での従業員数 | 100円 |
契約 | 月末時点でのユーザー数 | 900円 |
オプション料金
各サービスごとに用意されたオプション料金です。毎月の契約・利用料に応じて発生します。
サービス | 内容 | プラン | 単価(税抜) |
請求書 | 郵送代行 | パーソナルミニ | 190円/通 |
パーソナル | 170円/通 | ||
パーソナルプラス | 170円/通 | ||
スモールビジネス | 180円/通 | ||
ビジネス | 170円/通 | ||
郵送チケットおまとめ購入 | – | 15,000円/100通 ※1通あたり150円 | |
経費 | オペレーター入力 | – | 20円/枚 |
コーポレートオプション | – | 200円/人 ※5人までは定額1,000円 | |
エンタープライズオプション | – | 400円/人 ※10人mでは定額4,000円 | |
債務支払 | オペレーター入力 | – | 20円/枚 |
マネーフォワードクラウド会計の強み
マネーフォワードクラウド会計を使うことで、請求書の発行・受け取りや領収書の回収、書類の回収や、法改正のたびに発生するシステムの見直しなどの業務を削減できます。この章では、マネーフォワードクラウド会計が実現できる業務改善方法について説明します。
1.自動化が進む
銀行・クレジットカード・電子マネー・POSレジ・勤怠管理・人事労務手続きなど経理業務に必要な情報・ツールと幅広く連携できるため、入力と仕訳が自動化されます。
また、AIがビックデータを元に勘定科目を提案する機能もあります。使い込んでいくことでAIの学習が進み、さらに自動入力・自動仕訳が楽になっていきます。
さらに、データの保守という側面でも強みがあります。データはクラウド上に自動保存されるため、万が一パソコンが壊れたり紛失したりしても、データを復元することができて安心です。
2.いつでもどこでも使える
マネーフォワード クラウド会計はクラウド型の会計ソフトなので、インターネットさえあればいつでもどこでも使うことができます。そして、パソコン以外にiPhone、iPadやAndroidのスマートフォン・タブレットなど、マルチデバイス対応です。テレワークを実施したい企業にとっても使いやすい仕様です。
3.無料でアップデート
法令改正や消費税増税・インボイス制度の始まりなど、経理に関する決まりは毎年変わっていきます。経理担当者は、漏れなく対応するために常にアンテナを張り続ける必要がありましたが、マネーフォワードクラウド会計は、迅速かつ無料でアップデートされます。法改正のたびに、自社でシステムを見直す必要はなく、安心です。
【評判を紹介】マネーフォワードクラウド会計を利用した方の声
ここまで、マネーフォワードクラウド会計のプランや強みを紹介しました。とはいえ、実際に利用した方の評判も気になっている方もいるのではないでしょうか。
本章では、実際にマネーフォワードクラウド会計を使ったことのある方の率直な意見を紹介します。良い評判と悪い評判どちらも掲載していますので、選定時の参考にしてください。
良い評判
- 低価格なので、個人事業主でも導入しやすい
- API連携による明細の自動入力や、決算書の作成が簡単
- 仕訳処理が振替伝票の形で入力できるのが便利
- 銀行などの外部との連携がスムーズにできる
- PCだけでなく、スマホでもいつでも入力や仕訳が確認できるのが便利
- インボイス制度に対応している
- 既に別シリーズを使用している場合、連携することによって会計業務をより楽にできる
マネーフォワードクラウドの別シリーズとの連携や、大企業向けのシステムと比べて安価に利用できるプランが用意されているという点が、高評価につながっているようです。
悪い評判
- 簿記の知識がないと会計項目がわからないので、最初は難しかった
- マネーフォワード製品以外は連携しづらい
- 勤怠と給与でツールが分かれているのが使いづらい
- 多機能ゆえに個人事業主には使いにくい
- 銀行とのデータ連携がサポート不足な部分がある
- 間違った場合の修正がしにくい
- インターネットを介した処理が遅いことがある
- パスワードが漏れた場合のセキュリティが不安
複数の機能を有するマネーフォワードクラウド会計ですが、多機能ゆえにかえって使いづらいという意見もありました。使用感については、無料お試し期間を活用することで事前に確かめることができます。自社に必要な機能が備わっているか、担当者目線で使いやすい仕様となっているか見ておくことで、安心して導入することができます。
マネーフォワードクラウド会計がおすすめな方・企業
企業規模やニーズ、ビジネスの成長に合わせて選択して利用できるマネーフォワードクラウド会計ですが、なかでもマネーフォワードクラウド会計がおすすめな企業の特徴を紹介します。
Excelや他社の会計ソフトから移行したい企業
マネーフォワードクラウド会計は、他の会計システムから乗り換えたいという場合におすすめです。Excelや他社ソフトからのデータインポートが可能であるため、安心して会計ソフトの入れ替えができます。
マネーフォワードシリーズを導入済みの企業
別のクラウドシリーズと連携することにより、会計業務がより楽になります。
既に以下システムを導入している場合、バックオフィス業務全体をシームレスに連携し、面倒な作業を自動化することができます。
マネーフォワードクラウド給与 | 給与計算に関わる多くの処理を自動化し、業務効率を大幅に改善でき、給与事務のペーパーレスを実現できます。 |
マネーフォワードクラウド経費 | 申請書作成や領収書の添付、申請書作成・承認のための出社、小口現金での生産などに困っている方におすすめです。 |
マネーフォワードクラウド確定申告 | 確定申告にかかる面倒な作業がすべて自動化されます。アプリに対応しているので、多様なワークスタイルに最適です。 |
会計業務の自動化を目指す企業
煩雑な会計業務に割くリソースを減らしたいという企業にもおすすめです。マネーフォワードクラウド会計は、搭載されたAIによる学習、無料アップデートなどの機能を有しているため、手動では時間がかかる会計業務の多くを自動化できます。
サポートを受けたい方
初めて会計業務を行う場合など、自分1人で会計業務をこなす自信がないという方にもおすすめです。
マネーフォワードクラウド会計では、チャットやメールサポートで経験豊富なスタッフからのサポートを受けることができます。また、電話でのサポートが可能なプランもあります。
士業の方
複式簿記に準拠した画面構成のマネーフォワードクラウド会計は、会計事務所・税理士事務所など士業の方にも使いやすい操作性となっています。また、クラウド型の会計ソフトのため、顧客との会計データのやりとりをオンライン上で共有できます。
まとめ|マネーフォワードクラウド会計を使いこなせば、会計業務が大幅効率化
マネーフォワードクラウド会計は企業規模別に最適なプランが用意されており、低価格での導入が可能です。また、マネーフォワードクラウドシリーズを連携させて使用することで、さらにシームレスにバックオフィス業務全般を効率化することができます。
会計ソフトを利用するにあたって利用料はかかりますが、会計業務に割かれていた人件費の削減が期待できるでしょう。また、他の必要な業務にリソースを割くこともできます。会計業務を削減したい、ヒューマンエラーを減らしたいという方は、ぜひ無料のお試し期間も活用しつつ、マネーフォワードクラウド会計を導入してみてはいかがでしょうか。
なお、本サイトでご紹介している会計ソフトは、アフィリエイト広告の出稿を受けています。
よくある質問
Q1.会計業務に大きなリソースを割くことができない場合にも、マネーフォワードクラウド会計は利用できますか? |
マネーフォワードクラウド会計は、中小企業・個人事業主向けのプランも用意しています。また、利用者の人数に応じて料金が追加される料金となっているため、安価に無駄なく導入できます。 |
Q2.マネーフォワードクラウド会計はどのような会社におすすめでしょうか? |
マネーフォワードクラウド会計は、個人事業主から上場企業まで幅広い規模の会社に向けてプランを展開しています。既にマネーフォワードクラウドシリーズを導入している方や、士業の方などにおすすめです。 |